マイナス×マイナス=プラスになる理由
マイナスという記号は中学1年生の頃に登場し、その際にマイナスとマイナスをかけるとプラスになるということが色々な形で説明されます。
その段階ではされないような説明をしてみたいと思います。
(-a)×(-b)=(-1)×(-1)ab
なので
(-1)×(-1)=1
が証明できればマイナスとマイナスをかけてプラスになることが言えます。
1+(-1)=0
という式を満たすのが -1 の定義です。両辺に -1 をかけて
(1+(-1))×(-1)=0
となります。分配をして
1×(-1)+(-1)×(-1)=0
1×(-1)=-1 なので
-1+(-1)×(-1)=0
両辺に 1 を足せば
1+(-1)+(-1)×(-1)=1
前半2つに対して 1+(-1)=0 を使って
(-1)×(-1)=1
となり、マイナスとマイナスをかけるとプラスになることが証明できました。
こういう証明って学校でされるのかなぁ。正直自分が中学生の時にどういう風に習ったかは覚えていませんし、どうしてマイナスとマイナスをかけるとプラスになるのかなんて気にしたこともなかったと思います。
ちなみに複素数平面を使えば次のような説明もできます。
複素数に cosθ+isinθ をかけるというのは、複素数平面上で原点を中心にθ回転させるという意味になります。
-1=cos180°+isin180°
なので (-1) をかけるということは原点を中心に180°回転させることになります。
したがって(-1)を2回かけるのは原点を中心に360°回転させることになります。
cos360°+isin360°=1 なので
(-1)×(-1)=1
が言えます。
複素数平面で説明するとすごく簡単で当たり前のように見えますね。
概念を拡張して考えると低次元のものがスッキリと説明できるというのは数学でよくあることですが、それの代表例みたいなものですね。
こんな感じに「これってなんでだっけ?」と考えるのが好きなんです。